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Interview
pharmacy brandとしての自負と
商品に込めた想い

あけぼの薬局 薬局長
鈴木 穂香(左)
株式会社アイリスファーマ
戦略事業室 兼 薬局事業部
開発担当者 相本 義人(右)
2021年の発売以来、ファンを増やし続けている「馬油+organic」シリーズ。馬油の魅力をもっと身近に感じてほしい、その想いとブランド誕生の裏側を、開発担当に携わった相本、そして薬剤師として日々店頭に立つ鈴木との対談でお届けします。
薬局に胸を張って並べられる
品質と使い心地にこだわった自信作
相本: 馬油といえば、昔はどの家にもありましたよね。今は研究が進み、馬油の成分が改めて注目されるなか、食肉加工の世界では多くが廃棄になっていると知りました。その馬油を活用させ、もっと広めたい。そこから企画・開発がスタートしました。
鈴木: 馬油というと動物性特有の匂いを心配する声もあったようですが、「馬油+organic」は商品そのものも、肌に伸ばしたあとも嫌な匂いを感じませんね。これは開発段階でも、かなり大変だったと聞きました。
相本:
匂いについては、絶対にクリアしたいポイントでした。ありがたいことに日本で高品質な精製技術ができるメーカーと出会い、良質な馬油原料に仕上げられました。製造担当者からも、品質の良さを驚かれたくらいです。
世の中にはすでに、馬油アイテムがたくさんあります。薬局を展開しているアイリスファーマとして、成分の配合や品質、使い心地、さらには日々、薬局のご利用者さまと対話してきた経験は大きな強み。わたしたちにしかできない商品開発があり、それを形にすれば、きっとご満足いただけると考えました。

馬油にオーガニックオイルをプラスし
いつでもどこでも便利な一品に
鈴木: 「馬油+organic」のシリーズは、馬油100%ではなくオーガニックオイルを加えた仕上がりというのが、わたしたちらしいオリジナルアイテムの良さだとも感じています。
相本:
ですよね。当初は馬油100%でも十分すばらしいアイテムになると考えていましたが、どうしても季節や気温によってテクスチャーが変わるので、夏場はトロトロになりすぎて塗り心地や使い勝手にも課題がありました。
馬油の特徴は、人の皮脂組成に近い肌なじみの良さ。そこに、同じく肌と相性が良く美容効果も期待できるアルガンオイルやシアバター、バオバブオイルなどをブレンドしたものが馬油+organicの「スキンオイル」です。
鈴木: わたしは洗顔後、米粒程度を伸ばしてなじませるブースター的な使い方が気に入っています。化粧水のなじみがいつもより良くなる感じがします。
相本: 指先の乾燥対策や、髪に少量をなじませて落ち着かせるなど、みなさんそれぞれに愛用スタイルがあるようですね。小鼻にくるくるとなじませて角栓ケアをしたり、メイク落としに使ったりするお声も伺っています。
鈴木: 「ハンド&ボディクリーム」は、馬油なのにクリーム状でびっくりしました。「スキンクリーム」に比べて水分量が多く、馬油を50%も配合しているのにみずみずしい使い心地で、べたつきが少ないのもうれしいです。

馬油の配合量をギリギリまで微調整。
何度もテストし、たどり着いたベストバランス
鈴木: 開発時は、当社全店の薬剤師たち約100人がモニターとなり、実際にサンプルを使って意見を出し合いましたよね。薬局でお手に取ってくださるご利用者さまを想像しながら意見をお伝えしました。まさに「みんなで作った」アイテムです。
相本:
アンケートをまとめたレポートを作成するのは無茶苦茶大変でした。記述式のアンケート100人分のコメントを取りまとめるのはものすごい時間を費やしました。やはり人によって使用感とか好みに個人差あるので……、おかげでさまざまな角度から商品を見つめることができました。シャンプーとコンディショナー、ボディソープのお風呂アイテムに関しては、サンプルも4回ぐらい配ったでしょうか。
馬油の良さを実感してもらうためにも、配合量をできるだけ上げたい、しかし濃厚な油分ですから、入れすぎると泡立たないし、髪もべたついてしまう。とにかく配合量にこだわりたかったので、使用感とのバランスにはとても悩みました。ですから薬剤師モニターの声は、とても参考になりましたね。配合量と使用感、品質との調整は、製造担当の方にも一番ご苦労をかけたところだと思います。
鈴木:
馬油を入れすぎると成分が分離したり、品質を安定させるのが難しいですよね。
コンディショナーは、特にそのバランスが難しく、シャンプーに比べて3倍の開発期間があったとか?ファーストサンプルは馬油20%と聞いたことがあります。
相本: 20%となると粘度も相当です。まずポンプから出てこない(笑)。100人分、ボトルに小分けして発送するだけでも1日がかりで大変だったのを思い出します。しかし配合率が多くても使用感が満足できるかどうかは別の話で……。
鈴木: やはりベタつきすぎて使えるものではなかったというのが、モニター側の本音だったと思います。試行錯誤がたくさんあったんですね。

相本: 結果的に、コンディショナーは馬油の配合率が5%となりました。しっかり違いを感じられる使用感を目指したベストバランスです。シャンプーやボディーソープも、本来の役割である「さっぱりと洗い流す」という目的をきちんと果たしながらも、油分を落としすぎず、心地よい洗い上がりを目指しました。
鈴木:
シャンプーとコンディショナーは、社内でもリピート率が高いです。詰替用も、社内で声が上がったことをきっかけに、後からラインナップに加わりましたね。
店舗でも、わざわざ遠方から定期的に来店され、シャンプーとコンディショナーをセットで購入してくださる方がいました。「これを使っているときが一番、髪や頭皮の調子がいいのよ」というお言葉がうれしかったですね。
老若男女、幅広い世代に愛される
香りとデザイン
鈴木: 薬剤師間で意見が分かれたポイントは香りです。好みが人によって違うので、サンプルもいろいろ試させてもらいました。最終的には人気投票もしたんですよね。
相本:
すべて天然精油ですから、使用中はほのかに香りを楽しんでいただきながらも、洗い流したあとはほとんど残らない設計です。老若男女問わず、家族でお使いいただけますし、強い香りが苦手な方にも試しやすいです。
また、パッケージデザインにもぜひご注目いただきたいです。昔ながらの馬油のイメージを一新し、シンプルで生活空間になじむ、モダンな仕上がりになりました。

社内でも愛用者が続々と!
わたしたちは、こんなふうに使っています
鈴木: 店頭でも、一度使って気に入ったのでと再度お求めくださる方、「ここ以外にはどこで買えるの?」と尋ねてくださる方もいらっしゃり、お客さまの生活に根付いてきているのを感じます。わたしも、仕事柄アルコール消毒の機会が多いのでハンド&ネイルの保湿に「スキンオイル」が欠かせなくなりました。相本さんの個人的なおすすめはありますか?
相本:
わたしはシャンプーとコンディショナーですね。発売以来、もうこれしか使えないくらいです。男性のわたしの言葉でお伝えしきれるかわかりませんが、しっかり汚れを落とせてサラサラなのに、スッとまとまる落ち着いた髪に導いてくれます。シャンプーは髪質や仕上がりの好みによっても選び方が分かれる商品ですが、一度はお試しいただきたい自信作ですね。
ボディソープも好きですね。1〜2回使うだけではわかりづらいのですが、切れたタイミングで別のものに切り替えたときに違いを感じるようになりました。わたしの肌にはこの商品があっていたのだと思います。
鈴木: わたしは女性陣に好評の「メルティスキンバーム」がやっぱり好きです。しっとりするけれど塗ったところがテカらないし、伸びがいいので、顔だけでなく首や胸元までケアできるコストパフォーマンスにも注目していただきたいです。
相本:
社内でも「妻に頼まれて買っている」という声が結構ありましたね。
現在も新しいアイテムを開発中です。リクエストの多かった持ち運び便利なハンド&ボディクリームのチューブタイプは、まもなくご紹介できそうです。
これからもみなさんに長く愛用していただけるアイテムを、そして何より、薬剤師が開発した商品だというプライドをもってお届けしてまいります。
